【症例#1】数年ぶりのフルマラソン出場に向けての練習中に起きたシンスプリント
患者様情報
30代 男性 会社員(デスクワーク)
来院動機
3ヶ月後に控えたフルマラソンに向けて、練習を開始。
1日おきに10kmの練習を続けていた。
練習を始めて数日たった頃から左ふくらはぎの張りを感じていたが、大丈夫だろうとそのまま練習を継続していた。
それから数日たった練習後から張りが痛みに変わり、歩いていてもじっとしていてもズキズキする痛みが治まらず不安に感じて来院。
初見時の症状
左ふくらはぎの歩行時の痛み、ひどいときはじっとしていてもズキズキうずく
立っていると患部がひきつれる感じがする
カウンセリング・検査結果
左のふくらはぎの筋肉(後脛骨筋など)に強い緊張と痛み
左のすねの骨の内側に沿っての押された痛みと熱感あり、炎症を起こしていた
デスクワークということもあり猫背気味で、その姿勢の連動で骨盤が後傾し下半身に負担がかかりやすい状態になっていた
痛みの部位や症状からシンスプリントであると判断
施術内容
患部(すねの内側の真ん中辺り)の炎症を引かせる
患部に関連する筋肉の緊張を緩ませる
猫背姿勢の改善のため背骨・骨盤周りを調整する
負担のかかりにくい状態をキープするための姿勢、体幹周りのエクササイズ
症状経過
1回目
炎症を引かせるための施術をメインに、全体の筋肉の緊張の緩和、簡単なエクササイズを行い、施術後にはじっとしていてもズキズキしていた痛みはなくなり歩きやすくなった
2回目(初診から2日後)
患部の炎症はだいぶ引いて、ズキズキする痛みは出なくなった
かばって負担になっていたところや、残っている筋肉の緊張を改善していく
姿勢改善と自分の走りやすいフォームのためにバランスディスクなどを用いエクササイズを行う(特に臀筋、股関節、足首周り)
施術後の時点で痛みはほとんどなくなり、強く体重をかけたときなどに患部のひきつれ感を少し感じる程度というところまで回復
3回目(初診から5日後)
痛み、ひきつれ感ほぼなくなった
よく動けるようになり動く量が増えて負担がかかったため出てきた足首周りの違和感を改善させる
実際の良いフォームでの走りに必要な部分のエクササイズをメインに行う
この日の夜にランニング練習を再開してもらう
4回目(初診から10日後)
前回の施術後から何度か練習しているが、痛みの再発はなし
張りが出てきたらウォーキングに切り替えて加減するように指導
フォームを安定させるためのエクササイズをメインに行う
5回目以降
その時々で出てきた張りやダメージを改善しつつ引き続きエクササイズメインで行う
セルフケア
炎症が起きている段階では、患部中心にセルフでできるケアを指導
姿勢を改善するための股関節を中心としたセルフケア体操を指導
痛みが落ち着いてからは背筋〜臀筋〜足までを連動させたセルフトレーニングを指導
施術者コメント
一度痛みが出始めるとなかなか改善していかないのがシンスプリントです。痛みが引くまで運動は中止で安静にとされることが多いのが現状です。
安静にしていれば痛みは出なくなるかもしれませんが、根本の原因が解決されたわけではないので、練習を再開した途端痛みも再発ということはよくあります。
この患者様はカウンセリングや動作・姿勢分析からデスクワークの継続による猫背姿勢→骨盤の後傾→下半身の開き→足の着き方の悪さなどがあり、そこが根本の原因であると見つけた上で、一つ一つ改善していったため、練習をしながらでもしっかりと早期に痛みを改善できたのだと考えます。
同じようなシンスプリントの痛みでお悩みの方はこちらのブログも合わせてご覧ください。